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じちん

もうけっこう前になるけど、家の方がいよいよ
着工という事で地鎮祭をやってきました。

土地の神様に許しを得て工事の無事を祈る儀式です。
とは言っても僕も伊藤理佐さんの漫画(これ)→
http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/31583671/pg_from/rcmd_detail_1

で読んだくらいの知識しかないので、なんか
クワみたいなのを「えいえい」ってやるくらいの
イメージしかなく、不安でいっぱい。

そのせいか(または夜型のせいか)前の日結局30分くらい
しか眠れず朝7時ぼんやりした状態で出発。
なるべくうるさめの音楽を聴いて眠気をしのぐ。
途中、高速のパーキングエリアに寄ってトイレを済ませ
コーヒーを買ってさあ出ようとしたとこで実は事件がありました。

詳しくは書きませんが、人がそこで亡くなったようです。
まあとにかくそんな事があり、なんとも言えない不穏な気分で
再び現地目指して出発。

そして思ったより早く現地に到着。すでに施工会社の方々と
神主さんが先に来て着々と準備を進めていました。
しばらく見に来てなかった土地は背の高い草でびっしりと覆われ
蚊が大量発生!これから地鎮祭をやる予定のあるみなさん
虫よけスプレーは必須です。

で、準備も整い、いよいよ式スタート。
まず神主さんが簡単に流れを説明してくれるんだけど、意外に
やる事が多くてちょっとがんばって覚える。
そして式が始まり、神主さんがホニョホニョと何かを唱え始めた頃
僕の中でなにやら懐かしいイヤな感覚が…。
そしてそれは地鎮祭の中でも”最も厳粛、かつ最重要行事”とされて
いるらしい「祝詞(のりと)奏上」の時…これは祝詞を読み上げる間
ずっと頭を下げていなくてはいけないのですが、ここでついに
ピークに達しました。

貧血です。

僕はもう自ら「貧血王」と自負するほどの貧血上級者。
「あ、これ以上はヤバイな、倒れるな」という自らの
貧血ボーダーラインを熟知しています。だから倒れそうに
なったらしゃがみこんで呼吸を整え、貧血と必死に戦います。
そう、貧血を知り尽くした「貧血王」だからこそ、
決して倒れる訳にはいかないのです。

で、結局その最重要の儀式以降、僕は何度も
座り込み汗ビッショリになりながらとにかく意識だけは
失わないようにと必死で貧血と格闘しました。
”クワえいえい”もぼんやりした状態でなんとかこなしました。
今思うと倒れちゃった方が楽だったかも…。

記念に写真を撮ろうとしていたと思しき施工会社のカメラ係さんも
僕がそんな状態だったため、ほとんどシャッターを切らず(切れず)
”どうしよう”オーラをふりまきながら、やたらとうろちょろしてました。
申し訳ない…。

しかし、神主さんはすごいもんで僕がしゃがみこもうと汗びっしょり
だろうと、完全無視で淡々と行事を進行。最後は「滞りなく
無事に…」と何事もなかったように締めてくれました。いや、たぶん
そうしなきゃいけないんでしょうが。「貧血なら酒を飲め」とあんまり
呑めないと言ってる僕に無理やりお神酒をたっぷり飲ませてきたり
「私も倒れた経験がある(たぶん酒のせいで)」等の体験談を語って
くれたりなんか妙に豪快で面白い神主さんでした。

お神酒効果か地鎮祭が終わると貧血もすっかり治まり、
終わった頃にぽつぽつと雨が降ってきました。

その後雨が小降りのうちにご近所にあいさつ回り。
ややこしそうな人もいなくて一安心。唯一の不安は意外と
漫画家だってことが広まってた事くらい…。
挨拶が終わった頃から雨がじゃんじゃん降り始め、帰りは
ものすごい大雨でした。

だからまあ…結果的には無事終わったと言ってもいいんじゃ
ないでしょうか。うん。面白かったし。

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